2018年4月の大阪セミナーは緊張した大殿筋を調整する手技を行いました
2018年4月8日に大阪上本町で開催した手技セミナーは、緊張した大殿筋を調整する手技をテーマに行いました。
今回の手技は股関節の可動域から大殿筋の緊張差を検査し、緊張した筋肉を弛緩させる目的で行う手技です。
セミナーには東京セミナーに参加して頂いている、柔道整復師の方が大阪セミナーに初参加され、大阪セミナーの受講生も大いに刺激を受けたのではないでしょうか。
※ 今回のセミナーに、鍼灸師の方から体験の申し込みを頂いておりましたが、記載されていたメールアドレスに送信するとエラーが出てしまい、ご連絡ができませんでした。お心当たりの方は、お手数ですがもう一度別の手段でご連絡を頂ければ幸いです。
大殿筋の緊張・弛緩を左右で比較する
大殿筋は、殿部の最も表層にある大きな筋肉です。
主な作用としては、以下のようなものがあります。
- 股関節の伸展
- 股関節の外旋
- 股関節の外転
大殿筋の働きをテストする方法は色々ありますが、バランス療法では股関節の外旋検査を行い、可動域の大きい方が大殿筋の緊張側と捉えています。
股関節の外旋検査で大殿筋の緊張を調べる
股関節を他動的に外旋運動させることで、その可動域を調べます。
左右で全く同じ検査をすることで、可動域を比較し、左右の差を比較します。
股関節を他動的に外旋運動をすると、その可動域を制限するのは、拮抗筋である内旋筋群です。
内旋筋群の抵抗が強いと、股関節の外旋運動は少ない可動域でストップします。
反対に、内旋筋群の抵抗が少なく、十分に伸長されると、股関節の外旋可動域は大きくなります。
こうして股関節の他動検査で外旋可動域を調べることで、外旋筋と内旋筋のバランスを左右で比較することができます。
ここでは、外旋可動域の大きい側 = 内旋筋に比べて外旋筋が緊張していると考えます。
緊張した大殿筋に弛緩を狙った手技をかける
股関節の外旋可動域から大殿筋の緊張側が判別できたら、緊張した側の大殿筋を弛緩させる目的で手技を行います。
L4の両側と大殿筋の3箇所を同時に押圧する
今回の手技は、L4の両側と大殿筋を同時に押さえて刺激を与える手技です。
手順としては、まず腰椎を触診しL4を探します。
L4が見つかったら、その高さで指を両側にずらして、脊柱起立筋部分を触ります。
L4の両側を母指と示指で触れておき、術者は体勢を変えて大殿筋の緊張側に移動します。
今度は大殿部を触診し、大殿部の最大膨隆部からやや抹消を触ります。
膨隆部から触っていくと、この部分にややくぼみのように感じる場所があるので、そこに母指をおきます。
位置が決まったら、呼吸のタイミングを合わせて腰部の二指から先に押圧を加えます。
そして、次の呼吸のタイミングで殿部を押圧します。
4〜5回呼吸をみたら、再び呼吸のタイミングをみて、押圧していた指を離します。
手技を行うときは自分の重心に注意する
この手技の注意点としては、手技をかけるときに、いかに自分の重心を保つかという点が挙げられます。
手技の体勢としては不安定な形になりやすいので、ついつい腰部を押さえている指や、殿部を押さえている指で自分の体を支えてしまいます。
これをしてしまうと、指に体重がのってしまうので、必要以上の圧を受け手にかけることになります。
また、せっかく慎重に押さえるポイントを決めても、自分の重心が受け手の方に乗ってしまうと、圧の方向まで変わってしまうので注意が必要です。
手技を行う間は、必ず自分の体の中心に重心がくるように、ポジションや距離感を工夫して行いましょう。
大殿筋を調整する手技のまとめ
今回の手技は、股関節外旋と内旋のバランスをとるために行う手技です。
そのため、施術のどんな場面で使っても良いのですが、特に腰部・下肢に痛みや痺れが出現している場合にはよく用います。
全身を整えるための手技であるとはいえ、やはり関連した筋や神経の付近を直接狙った方が、効果が高いということもあるので、腰部や股関節付近に問題のある場合には、積極的に使っていきましょう。
ただし、押さえる部分に痛みが出ている場合も多いので、手技の圧のかけ方には十分に注意して行いましょう。